前撮り日の天気予報が雨
雨予報であっても雨の原因や前撮りする場所、その場所の周りの地形によって問題なく撮影できる事も多いです。
今回は前日夜の天気予報が降水確率80パーセント、所により激しく雨が降る大荒れの天気になると出ていたのに、何の問題もなく雨にも降られず前撮りができた2019年4月10日の事を書いてみます。まずは動画で当日の様子をご覧ください。
雨が降らない条件を知る
この日は温暖前線と寒冷前線、そして閉塞前線を伴った低気圧が15時頃に紀伊半島のすぐ沖合を通過しました。
お客さんとは数日前から何度も相談し、撮影中止もありえたんですが、最終的には当日朝の気象情報と空の様子を見て判断することになりました。
そして朝の8時には撮影決行の決断!それも賭けではなく確実に大丈夫。もっと言えば桜での前撮りロケには最高の条件になると判断しての撮影決行でした。
理由とすれば低気圧が思ったほど発達しなかった事と東への移動速度が速まっていた事。そして決定打は朝に見上げた空の様子を観察しての事です。
この日の撮影は午後からです。雨は夜中から降り出して朝には本降りになっていました。でも、このスピードなら午後には雨雲は抜けそうです。でも心配なのは風でした。
風さえ吹いていなければ少々の雨でも撮影ができます。でも、たとえ小雨でも風が強いとレンズに雨が付いてしまい撮影が困難になります。そして風の予報は北東から北の風が5メートル、これだけ風が強いと傘をさしていてもカメラを構えたらレンズの前面に雨が付いてしまいます。
でも朝に観察した空の様子は、たしかに地上から500メートルくらいの雲は早い速度で流れており、おそらく上空は15メートルくらいの強風が吹いてそうな雲の速さでした。
でも、その雲は北東や北からではなく東から吹いています。奈良盆地の北は京都に向かってひらけています。なので北の成分が入った風はそのまま弱まる事なく奈良公園に吹きます。
奈良公園は奈良盆地の東の端にあるので西の方角にも大きくひらけています。そのため北東、北、西から吹く風は何かに遮られる事もなく、まともに奈良公園に吹きつけます。
でも奈良公園の東側はすぐ山です。そして、山は遠くは伊勢湾まで続いています。そのおかげで東の強い風も地表近くでは山にあたって弱められ、山のすぐ麓にある奈良公園では風が弱くなってくれます。
頭の上、はるか上空は強風なのに奈良公園では風が弱くなることが想定されたので、雨風ともに心配ないと判断して撮影を行う事になりました。
昼過ぎまで本降りが続いたおかげて奈良公園は人影もまばらです。もし晴れていたら人の多さで撮影が困難な場所でもまるで貸切り状態で撮影でき、雨のおかげで空気も澄んで桜もしっとり濡れて艶やかでした。
このようにキキフォトワークスでは天気予報だけに頼るのではなく、いろんな要素を調べてロケーション撮影を行っています。参考までに当日の天気図も貼っておきます。