諦めない
結婚式の写真を撮る。この仕事をしてると、良く耳にする話があります。
それは・・・
撮る方(カメラマンと)と撮られる方(新郎新婦)両方にある不幸な勘違いです。
撮る方の勘違い・・・
それは、僕たちカメラマンが思ってる以上にお客さんは写真を大切に思ってる。写真の出来上がりを、とっても楽しみにしているって事です。
これは何もキキフォトワークスへ撮影の依頼をしてくださった人達だけの話ではありません。
カメラマンが会場提携とかフリーとか関係無いです。たとえ週末のアルバイトカメラマンでも、つい先日まで素人だった新人カメラマンでも関係無いです。
世間では『結婚式の写真』へのイメージは、あまり良くないです。でも、だからと言って、みんながそれでいいとは思っていないんです。
どんなカメラマンが撮るにせよ、自分の結婚式の写真を大切に思わない人なんていません。
そして、その『想い』は僕たちが想像する以上に大きいんです。口には出さないだけで、写真を大切に思っている人がとっても多いんです。
衣装や料理や花やヘアーメイクと同じくらい、思い入れをもってる人が多いんです。
仕事はカメラマンで結婚式の写真を撮っている。
それだけでコンプレックスを抱くカメラマンがいます。雑誌や広告、風景や作品、報道やアートの分野で活躍するカメラマンへのコンプレックス。
そして確かに結婚式を撮っているカメラマンを軽蔑するカメラマンは多いです。
その裏返しでしょうか・・・
どうせ毎週毎週、流れ作業のように同じことを『消化』する結婚式の仕事だから・・・
どうせ期待されていないから・・・
どうせ、いい写真を撮っても注目されないから・・・
どうせ、有名になるまでの繋ぎのバイトだから・・・
どうせ結婚式の写真だから・・・
何人ものカメラマンからそんなセリフを聞ききました。
でも・・・
たとえカメラマンがそう思っていても、新郎新婦は写真に期待してるんです。だから、ウェディングフォトって仕事はとっても重要で楽しい仕事なんです。
他のジャンルのカメラマンと同じくらい幸せな仕事なんです。涙流して感謝される事があるくらい、素敵な仕事なんです。
その事に気づかず、実力を発揮しないカメラマンが多いのが残念でなりません(>_<)ゞ
結婚式の当日。新郎新婦の一番そばで、一番長く一緒に居て、一番近い気持ちでいられるのがカメラマンだと思っています。
幸せを分け合える事が出来るような仕事なんです。実力を出し切れば必ず喜ばれます。一生懸命に撮れば必ず喜んでもらえます。こちらに直接伝わってこなくても、新郎新婦の心には必ず残っています。そして、それがお互いの幸福に繋がると思うんです。
所詮、結婚式の仕事だからと・・・
写真をあきらめないで下さい!
撮られる方の勘違い・・・
結婚式の写真なんて、こんなモノ・・・昔から何も変わっていない。雑誌や広告の世界とは違う世界。そう思って諦めてしまってた人がビックリするくらいに多いです。キキフォトワークスのお客さんにはアンケートを書いてもらっています。そのアンケートや打ち合わせの時に聞いたストレートな意見です。
そして意外に多いのが会場では写真の打ち合わせはしなかった。サンプルも見なかったし料金も知らない。半分くらいの人がそうでした。
その理由の多くが、見てもどれも同じようなものだから・・・でも、よく考えて下さい。二人が写真に対してどんな想いでいるのか。それがカメラマンに伝われば、ちゃんと応えようと一生懸命になります。でも何も伝わってこなければ、どうしても無難になってしまいます。フリーとか、会場提携とか、アルバイトカメラマンとか。そういった立場は關係ないです。
ネットではよくアルバイトの素人カメラマンに対する批判が流れます。でも、いくらベテランであっても、いくら正社員であっても。いくら有名事務所でしっかりと基礎を勉強した人であっても。どうせ結婚式の写真だからと適当に撮ればガッカリするような写真になります。たとえ新人のアルバイトでも、必死に一生懸命に撮れば、その気持が伝わる写真になります。アルバイトカメラマンであっても、もらい泣きしながら撮った写真は、何か違うんです。
日本で結婚式の写真を撮る多くのカメラマンは、式が始まる直前まで新郎新婦の事は知らない。名前さえも式の直前に初めて知る事が多いです。そういった状況で仕事をしてる人がほとんどです。自分からお客さんへ一歩踏み込めない環境で撮影をしないといけない。
それは結婚式において写真は『おまけ』だった時代が長かったからだと思うんです。いまでも、そういった扱いをしているホテルや会場があります。結婚式の写真は普通はこんな感じですよと。
昔は写真を失敗無く撮る事が難しかったです。ましてや撮り直しが出来ない結婚式。どんな写真かよりも絶対に失敗しない、が最優先でした。そして結婚式自体も問題なく無事に終わらせる事が最優先でした。
時代と共にカメラも意識や価値観も進化しました。なのに、その当時の価値観で作られたシステムだけが今も残っているんです。でも、ちゃんと気持ちを伝えれば思いを叶えてあげようとする人は必ずいます。カメラマンの立場は関係ありません。
大切なのは気持ちの共有だと思うんです。
まずは諦めないでちゃんとプランナーさん、会場担当者さんに伝えましょう。結婚式の写真をすごく大切に思っていますと。単なる記録写真ではなく気持ちを込めて撮って下さいと。そして探しましょう。その気持ちを叶えてくれるカメラマンを。
結婚式の写真なんて、こんなもん・・・
と写真をあきらめないで下さい!
撮る方と撮られる方のそういった不幸な思い違い。
それが無くなればいいなと思ったのでした。